Pemulis Floating Dolphin Keychain は8.50ドルだ。小さなターコイズ色のビニールのイルカである。浮く。それだけだ。
面白いと Molly が思ったので一箱注文した。すると誰も予想しなかったことが起きた。みんなが複数個まとめて買い始めたのだ。冗談としてではなく。いや、半分は冗談としてだが。それに加えて、人にあげてしまっては自分の分をまた欲しくなる、ということが続いたからでもある。
この数か月、アウターサンセットを動き回るこのイルカのキーホルダーを見てきて、分かっていることを挙げる。
当店がこれまで扱ったなかで、いちばん会話のきっかけになる商品だ。初めて店に入ってきた人がレジ横のイルカの箱を見つけると、急にお気に入りのサーフスポットの話を始めたり、フィンについて訊いてきたりする。8.50ドルのキーホルダーが、実際にお金をかけたどの手立てよりも新しい客を連れてきている。
本当に浮く。海で試した。Judah の突き当たりの護岸から鍵を落としても、イルカはちゃんと浮かび上がってくる。これで車の鍵が少なくとも2組助かったという話だが、サーファーは話を盛るので裏は取れていない。
オーシャンビーチでは一種の現象になっている。駐車場のバックミラーからぶら下がっているし、ウェットスーツバッグのジッパーに留められているし、サーフボードのラックから揺れている。誰かがモーターサイクルの鍵に付けたら、いまでは近所のモト乗りの半分が持っている。
補充は2週間おきくらいだ。8.50ドルなら誰も考え込まない——ただ手に取るだけである。そこが肝心なところだ。すべての製品に裏話やヘリテージの物語が要るわけではない。小さなビニールのイルカが、ただ仕事をすることもある。
こちらから1個どうぞ。あるいは3個。どうせ2個は人にあげることになる。



