ネオンが定義した競技において、黒いジャージは主張だった。80年代後半から90年代のモトクロスは色の戦争である。AXO の Gelprint、Fox のゼブラストライプ、Answer のイエロー・パープル・オレンジの挑発。この競技のビジュアルの論理は、視認性を要求していた。土とルーストのなかを高速で移動しているのだから、見ている者にその姿が見えなければならない。色は機能であり、色はアイデンティティだった。
だからブランドが黒いジャージを出すとき、そこには意味があった。それを着るライダーは、色に頼らなくても誰だか分かる、という意味だ。黒のキットは、スタイルが、ゼッケンが、バイクにまたがったシルエットが、それだけで本人の証明になる選手のために取ってあった。ナンバープレートを見る前から、黒い AXO の中身が誰なのかは分かっていた。
AXO の「Signature」ラインは、90年代のモトクロスギアを支配したライダーエディションの伝統の一部だった。ブランドはライダーをスポンサードするだけでなく、彼らを軸に製品ラインを組み立てた。ライダーの好み、色の趣味、フィットの細かい要求が、そのまま最終製品に反映される。1991年、Damon Bradshaw が Fox から AXO へ移った契約は業界を変えた。Fox 時代の七倍の報酬、その見返りに AXO は、この競技で最も絵になるライダーが自社のギアを着ている姿を、あらゆる雑誌とあらゆる放送で手に入れた。
黒が拒んでいたものを見てほしい。色をまとった AXO はこうだった。ネオングリーン、パープル、オレンジ、ピンク、そのすべてが一度に。Pro Sport ラインは音量が最大まで上がっていた。そこで黒の Signature ジャージを選ぶというのは、全員が叫んでいる部屋のなかで沈黙を選ぶことだ。どのカラーウェイよりも自信のいる選択だった。
黒の Signature ジャージは、この生態系から出てきた一枚である。ありふれた黒ではない。モトクロスジャージにとって黒とは何かという、AXO なりの解釈だ。素材、カッティング、ただのシャツと分けている縫製のディテール。襟、メッシュパネル、ロゴの位置。どのディテールも、性能とアイデンティティの両方に効いている。
ビンテージ。1枚のみ。
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