いまでこそ Yamaha のレーシング・アイデンティティはブルーだが、最初からそうだったわけではない。この会社の初期のレース史には、イエローのカラーリングが含まれている。明るく、よく見え、コース上で際立つ色だ。1978年から1980年にかけて Yamaha で500ccクラスの世界チャンピオンを3年連続で獲得した Kenny Roberts は、ブルーへの全面的な移行より前の、イエローとブラックの Yamaha カラーとともに語られることが多い。
イエローはその後も、ヘリテージの色として Yamaha のアイデンティティに残った。いまの活動ではなく、血統のほうを指したいときに使う色である。記念モデル、特別仕様、往年のカラーリングの復刻。イエローの Yamaha ギアは「自分たちがどこから来たのかを覚えている」と言う。ブルーの Yamaha ギアには言えないことだ。ブルーは現在で、イエローは過去だからである。
このジャージは、そのイエローの系譜に連なる1枚だ。カットは標準的な MX のもので、つくり自体は同時代のどの Yamaha のレースジャージとも変わらない。違いを作っているのは色である。イエローは標準の発注ではなかったから、作られた数が少ない。もともと少ないから、残った数も少ない。希少さは、時間とともに積み上がっていく。
175ドルというこの値段は、うちのビンテージコレクションで2番目に高いジャージということになる(1番は250ドルのイエローメッシュだ)。この価格が映しているのは希少性と、標準外の OEM カラーリングに対するコレクター側の需要である。これはブルーの Yamaha のジャージではない。ブルーの Yamaha のジャージなら、ほかにある。これは、そうではないほうだ。
ビンテージ。1点のみ。
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