2003年、イタリア・ミラノでRolling Stonesとして演奏するMick Jagger

写真:Wikimedia Commons経由 / CC BY-SA 2.0

1970年、Royal College of Artでグラフィックデザインを学ぶ25歳の学生John Pascheが、講師の紹介でMick Jaggerに引き合わされた。Jaggerが求めていたのは、次のツアーのためのロゴだった。プログラムにも、ポスターにも、グッズにも載せられるもの。Pascheはベロと唇のロゴをデザインした。着想はJaggerの口、ヒンドゥーの女神カーリー、そしてロックバンドのロゴはほかのどれとも似ていないほうがいいという一般的な原則から来ている。報酬は50ポンドだった。

このベロは、ロックの歴史でもっともよく見分けのつくロゴになった。ほかのどのバンドの図像よりも多くのTシャツに刷られてきた。推計には幅があるが、Stonesのグッズ事業は通算で数億ドル規模を生んでいる。Pascheはのちに、2008年にオリジナルの原画をV&A美術館へ92,500ポンドで売却した——50ポンドに対する見返りとしては大きいが、それでもこのデザインが彼以外の全員にもたらした額のごく一部でしかない。

2025年にStonesのシャツを着ていることは、必ずしもRolling Stonesを聴いていることを意味しない。ベロはバンドを超えてしまった。カテゴリーとしてのクラシックロックの記号であり、ある種のかっこよさの記号であり、音楽がかつては今と違う意味で危険だったという観念の記号になっている。Stonesのシャツを着ることの意味は、「Exile on Main Streetが人生を変えた」から「Goodwillで3ドルだった」までのどこにでもありうる。どちらの読み方も成立する。シャツのほうは気にしていない。

ビンテージのStonesのTシャツ——本物のほう、ファストファッションのチェーンに溢れる複製のほうではなく——は、別の場所に立っている。それは特定の瞬間の証拠だ。どのツアーから来たものか、誰が刷ったか、その時代のインクとコットンとスクリーンの技法。70年代や80年代のオリジナルのツアーTシャツには、複製が真似はできても再現しきれない重さとドレープと色の配合がある。タグが失われていても、生地が製造時期を語る。

これはビンテージだ。コレクター経由で入ってきた。一枚だけだ。


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ヘッダー画像:Eric Krull撮影、Unsplash経由